インクの種類と複合機の選び方

カラー複合機(コピー機)を導入する際に、インクの種類によってプリントの仕上がりに違いが生じることをご存知でしょうか?インクジェットとレーザープリントの印刷方式の違いについて認識されていらっしゃる方でも、顔料インクと染料インクの違いについてはご存知ない、という方も多いのではないでしょうか?
今回の記事では、顔料インクと染料インクの違いについて、解説したします。
カラー複合機導入の選定の際には、両者の違いについて把握し検討されることを推奨します。
目次
- 1、 顔料インクと染料インク
- ①インクジェットのインクには大きく分けて2種類ある!?
- ② 顔料インクの特徴
- ③ 染料インクの特徴
- ④ どちらを選ぶべき
- 2、 種類以外のインク、複合機の選び方
- ① 純正品か汎用品か
- ② 4色or6色
- ③ インク節約モード
- 3、 まとめ
1、 顔料インクと染料インクとは
顔料インクと染料インクの違いや特徴、選び方について紹介します。
① インクジェットのインクには大きく分けて2種類ある!?
カラー複合機のインクジェット方式には2種類のインクが存在します。染料インクと顔料インクです。複合機の機種によって、どちらのインクに対応しているかが異なりますので、両者の違いや特徴を把握し、自社のニーズに合ったインクに対応している複合機を選ぶことが重要になります。
どちらも、インクをノズルから吹き出して用紙に付着させるという点では変わりありませんが、インク特性に大きな違いがあります。
② 顔料インクの特徴
顔料インクの大きな特徴は、用紙に染み込むタイプのインクであるということです。そのため、発色がクリアで鮮やか、光沢感のある仕上がりになります。染料インクと比較すると印刷スピードも優れています。しかし、色が紙になじむまでに時間がかかる、というデメリットがあります。
どちらかといえば、ビジネス用途には顔料インクが適しているとされています。
③ 染料インクの特徴
染料インクは用紙の表面にインクを吹き付けるタイプのインクです。したがって、様々な種類の用紙に高品質で印刷が可能です。繊細な色の表現が可能で、用紙や環境による影響が少ない他、インクがすぐに乾くので色の安定も早いです。とにかく、プリントの品質にこだわるユーザーに適していて、カラーポスターや写真印刷などで特にメリットを発揮します。
その反面、印刷スピードが遅くなりがちというデメリットもあります。
④ どちらを選ぶべき
用途によって、顔料インクと染料インクのどちらが適しているかは異なります。一般的に、文書を印刷するには滲みにくい顔料インクが適していて、写真を印刷する際には画質の良い染料インクが適しているとされています。
ビジネスカラーインクジェット複合機(コピー機)として発売されている機種は、一般的に染料インクを使用したものが多いですが、キヤノンでは、カラーコピーの際には染料、モノクロ印刷の際には顔料とインク2種類混在の機種もあります。そういった機種では、黒のインクが2本入っているケースもあります。(染料と顔料混合機種の場合でも、顔料のブラックは単色ブラック、染料のブラックはマゼンダ、シアン、イエローの三色を混ぜて作るタイプのものもあります)。
2、 種類以外のインク・複合機の選び方
顔料、染料以外にもインクの選び方がありますので、紹介します。
① 純正品か汎用品か
インクジェットカラー複合機のインクには、複合機メーカーが作っている純正品と、別のメーカーが作っている汎用品があります。純正品は、メーカーが専用に作っているインクなので、カラー品質が優れています。また、インク漏れが少ないことや初期不良の可能性も少ないという特徴があります。
反対に汎用品は価格が安い反面、品質としてはやや劣ります。インクの初期不良のリスクが純正品よりも高い可能性があることに加え、インク漏れなどが原因で複合機に故障が生じてしまうケースもあります。また、汎用品を使用していて複合機が故障してしまった場合、メーカーの保守サービスが無料対応してもらえなくなる点についてもあらかじめ理解しておくことが重要です。
純正品を選んでいれば無難ですが、コスト面を考慮して汎用品を使用する際には慎重に判断しながら使用しましょう。
② 4色or6色
インクジェット方式のカラー印刷は、複数のカラーを混ぜ合わせることで色を再現します。インクジェットカラー複合機の場合は、4色、あるいは6色のカラーを混ぜ合わせる機種が発売されています。
4色と6色の複合機を比較すると、6色混合のインクを使用する複合機の方が色の再現性が高い代わりに、インク代が高くなる傾向にあります。機種ごとに、4色か6色のどちらに対応しているか決まっていますので、用途に応じて機種を選びましょう。
インクそのものの違いではありませんが、インクを節約する機能として、インクジェット複合機には、インク節約モードが搭載されている機種があります。この機能を利用すると、印刷品質を少し落として、コストの削減を図ることができます。搭載機種は、高価格のハイスペック機種であるケースが多いですが、印刷頻度の多い企業では、インク節約モードが搭載されたインクジェット複合機を候補にするとよいでしょう。
3、 まとめ
この記事では、インクジェットカラー複合機(コピー機)のインクの種類や特徴、複合機の選び方などについて解説しています。
まず、インクには顔料と染料があります。顔料インクは、高速印刷が可能であり、コストが安いというメリットがありますが、印刷品質は染料に比べてやや劣ります。文字が滲みにくいという特徴もあるので、ビジネスに適しているインクです。染料インクは、反対に印刷に少し時間がかかる反面、色の再現性が高く、画質が良いとされています。
インクの種類の他に、混ぜ合わせるインクの数による画質・コストの違い、純正インク・汎用インクによる違いがあります。